日本ニュートリション協会公認サプリメントアドバイザーの長田です。
今回は、「結局マカって何がすごいのか」について書きますので、少しお付き合いくださいね。
まず、マカとは一体どんな理由で世に広まったのでしょうか?はっきりいって、マカはただの野菜です。スッポンの生血や、すずめの巣や、ローヤルゼリーなど、いかにも体に良さそう!という食品とは違います。
マカは世界中で栽培されていますが、とくに原産地でもあるペルーのマカは、季節や寒暖差、過酷な土壌など、栄養価の高いマカの栽培に適した土地ということで、日本で売られているマカサプリのほとんどがペルー産です。
日本でマカといえばサプリメントですが、現地のペルーでは、子供から大人まで普通に食卓に並ぶメジャーな野菜です。日本でいえば大根のような位置づけでしょうか。見た目はカブのような形をしています。マカは種も野菜も日本に持ち込むことはできませんので、私たちがマカの野菜そのものを食べることはできません。どんな味か気になりますね。
薬局に行けば、マカは、精力、絶倫、みなぎる!といったパッケージが並んでいます。一昔前は、マカといえば男性の精力剤サプリというイメージがありましたが、この数年で妊活サプリとしてメジャーデビューを果たしました。
前置きが長くなりましたが、ここから本題に入ります。ちょっとややこしいかもしれませんが、なるべく簡潔に書きたいと思います。
成長ホルモンとアミノ酸の関係
マカって何がすごいのか?という答えは、ズバリ「アミノ酸の量」です。もちろん、マカ特有のマカミドやマカエンなどの成分もすごいのですが、マカを一言で表すなら、「アミノ酸の王様」といったところでしょうか。とはいっても、アミノ酸くらいで大げさな!と思いませんか?(私は思っていました!)
アミノ酸の王様が、精力を気にする男性や、赤ちゃんを望む妊活女性に、どう結び付くのか、ということをちょっと説明したいと思います。
先でも書いたとおり、成長ホルモンはアミノ酸と深い関係があります。昔から寝る子は育つといいますが、成長ホルモンの多くは夜寝ているときに分泌して、私たちの体を維持、回復するのに重要な働きをしています。
妊活中はシンデレラタイム(ホルモン分泌する時間)とも呼ばれ、女性ホルモンや男性ホルモンをバランスよく分泌する調整もしています。そしてアミノ酸は、成長ホルモンの分泌に欠かせない栄素なんです。
マカはアミノ酸の王様と言ったように、アミノ酸がバランスよく含まれている唯一無二の野菜です。体に必要なたんぱく質を作り出すアミノ酸20種類のうち、マカには18種類も入っているんです。優秀すぎます!
成長ホルモン⇒アミノ酸が必要⇒マカにアミノ酸が多い 簡単に言えばこういう図式ですね。野菜の力で私たちのメインホルモンのエンジンがかかるのならば、サプリでも飲んでみようかなという気になりますよね。生血やエキスは毎日続けられませんから^^;
成長ホルモンの分泌に必要なアミノ酸↓
◆必須アミノ酸
トリプトファン
フェニルアラニングルタミン
リジン
◆非必須アミノ酸
アルギニン
グルタミン
◆遊離アミノ酸
オルニチン
シトルリン
マカのアミノ酸がすごい理由
マカに含まれているアミノ酸のそれぞれの効果効能
マカには18種類ものアミノ酸が含まれていますが、アミノ酸によってそれぞれ効果が違います。
アルギニン | ホルモンの分泌に効果 |
リジン | ホルモンの分泌に効果 |
ヒスチジン | ストレス軽減、過食を抑制、神経機能補助の効能の他、性的欲求向上の役割もあります。 |
フェニルアラニン | ホルモンの分泌に効果 |
チロシン | ストレス軽減、白髪の予防、代謝や自律神経とも関係があります。 |
ロイシン | 筋肉をつくる、修復する役割や肝機能の向上、育毛効果があります。 |
イソロイシン | 肌や髪の健康に必要なアミノ酸のひとつ。運動時の回復にも効果があります。 |
メチオニン | 肝機能の向上、アレルギー症状を緩和、抗酸化作用による老化防止など。 |
バリン | 筋肉の強化・修復、苦み成分としての食品添加、美肌効果など。 |
アラニン | 甘みを担う食品に使用、肝機能の保護やアルコールの分解に効果的な成分 |
グリシン | コラーゲンを生成、美肌効果、コレステロール値を下げる、活性酸素を抑える、入眠、不眠症への効果。 |
プロリン | コラーゲンを生成、正常なターンオーバーを保つ、関節痛の改善など。 |
グルタミン酸 | 旨味成分の代表、美肌効果、脳を活性化、利尿作用など。 |
セリン | 肌の保湿、脳機能の活性化、不眠に効果。 |
スレオニン | 人間の成長に必要不可欠。髪や肌のコラーゲンを生成、脂肪肝の予防など。 |
アスパラギン酸 | 利尿作用や疲労回復の効果、旨み成分などの食品添加物に使用。 |
トリプトファン | ホルモンの分泌に必要 |
シスチン | 爪や髪を作るケラチンを生成。美肌、シミ予防、老化防止など。 |
(※日本ニュートリション協会出典 サプリメントアドバイザー養成講座資料より抜粋)
このようにマカにはたくさんのアミノ酸が含まれていますが、黄色の部分がホルモンに必要なアミノ酸です。
マカが男性や妊活中のカップルに人気の理由はアミノ酸だけではなく、その他の栄養素がバランスよく働くことで健康へ導いて、リズムを整える効果を生み出しているのだと考えられます。
最近では日本産のマカというものもあるようですが、本来のマカ特有の成分は、気候や土壌など過酷な環境から身を守るために発生した二次代謝物によって産み出されるものですので、日本産のマカを選ぶときは、品質や栄養成分をきちんとチェックしたいですね。